騰と隆国はコレ多分。。
最初から仕込んでいた芝居じゃないですかね??
そしてから、ゴメン剛京さん。。
今回の話をみて、俺は少しアンタを見直したよ。
登場シーンが雑だったから、威張り散らしているだけの小物かと思いきや、録嗚未が言っている通り、言っている事は割と普通のように思えてきましたわ。
ぶっちゃけ言いうと、騰の方も今回の戦争に勝つうえで、龍安を助けたほうが得策だといっているだけで、オカシナこと何もいっとらん。
しかし、剛京の言うとるように、秦軍が韓に侵略してきておいて、秦と韓の文化が和合した理想郷を作るとか、別段、それは将軍である騰が切り盛りするような話では無いことも確かであって、龍安の安否について話を別にするとしても、これから先の南陽の在り方や方針を決定付ける上で、それほど決定的な説得力を持った話では無いこともよく分かります。。
しかも、理想郷に作り替えるとか言ったところで、新鄭攻略の期限について、二年もない期間でどうすんだ?って話しでしょう。
本編では、録嗚未や剛京の立場から、騰の責任能力の立場から鑑みて、『それ、どうすんだ?』という感じで、見事に打ち返されてる様子がよく分かります。
しかし―、
これは言い換えてみると…、
更に今回の本編公判で、隆国が言及している六将と長官の権限重複の問題の通り、本来、韓を征服するにあたり、嬴政と昌平君が、“そこ”を含めて準備しておくべきだった事柄を、彼らが余りに不作為であったために、騰が考えてやらねばならない羽目になってしまった話の様に見て取れます。
河了貂曰く―、
『なるほど、先生(昌平君)は知っていたんだ。騰がこういう視点をもっているという事を。』
いやいやいやいや?
中華統一のための占領方針について、昌平君自身が騰にそこまで期待するほど、彼の視点を大切にしているなら、ソコは騰に中途半端な丸投げにすべきじゃないでしょ昌平君先生?
隆国が問題提起するまでも無しに、最初から、騰にキチンと行政長官としての権限まで持たせてやれば良かっただけなのではないか??
剛京というピエロを作り出す必要って果たして在ったのか??という疑問の方が大きくなってきてしまいます。。
というか??
今回の話、録嗚未が言うように、『それって王や丞相が考えることやろ。』という言葉のとおり、騰のこれからの新鄭攻略の考え方が問われているとか、龍安の処遇について何が正しいのかとか以前の話として、『嬴政と昌平君の単なる準備不足でした。』ってダケの事じゃないでしょうか??
しかも―、
昌平君と嬴政としては、『六大将軍騰と長官剛京の権限はどちらが上か?』と、早馬の知らせを南陽から受け取ったトコロで…、
結論、コレでは、どちらに答えが転んでも、双方とも大切な部下の面子を丸潰しになる顛末にしかならない上に、結局、それが嬴政らの胸三寸で決まる話であれば、そもそも秦国は、一体どこが法治国家なんだろう?という話にもなってしまいます。
結局、戦時下ということで、騰の方が剛京に勝る事になるのでしょうが、それだったら単に、剛京来るのは、山陽戦や鄴攻めが終わったトキみたく、新鄭攻略までが終わって、戦争計画自体が終結してからで良かっただけですよね。
しかもこの話のスジ、騰が新しい南陽統治についての解を導き出すのであれば…、
以前から、何度も『新しい国作り』とかほざいている王翦にすら、騰は先越した存在として、キングダムに残る事になってしまいそうです。
それ故に、或いは今回の話・・・、
もしかしたら、騰が将軍を引退して、政治家に転向するための切っ掛けとして捉えられるべき話なのかもしれません。
そう考えると、剛京さん、普通に指示の下で、現場に仕事しに来ただけなのに、なんか騰を引き立てるために、ピエロにされているのが少し可哀そうになってきましたね。。
ではでは、今週のキングダム振り返っていきましょう。
キングダムあらすじ – 剛京が龍安を斬首した理由
龍安に代わって、南陽城主の“座”に付いた剛京さん。
南陽元城主 龍安に対して、“戦争行為の罪”を理由として、正式に斬首の申し渡しを下します。
戦いもなく終結した南陽の占領なので、その場に呑まれる李信たちですが…、
一人、騰がコレに制止をかけます。
騰『待て、一体何の罪だ?この城は無血開城した、龍安は戦争行為などしておらぬ。』
李信『たしかに…。』
こう言われて、剛京さんは、“南陽の兵力と食料”を新鄭に送った事を、“戦争支援”として、転じて、それを“戦争行為の罪”と断ずることができると論及するのですが…、
これはイキナリどうなんでしょう??
戦争行為の罪を理由に断罪が必要なのであれば、その時点で、先に侵略してきた秦国の方が普通に罪だろうという論理にしかならないハズなのですが、さっそくブレブレの法治国家である秦国…。
一体、韓非子先生を呼んで、何を勉強していたんだこの人たち??と、もうイキナリ話が入ってきません。これから先の秦国本営、本当に、大丈夫なのでしょうか?
そして、騰の切り替えしに、大して、何が不満なのかと問いかける剛京さんです。
騰『不当に殺すなと言っておるのだ。』
コレに対して剛京さん。。
『不当ではない。』と反論。
その理由として、引き続き“罪論”や“秦法”に照らして語るのかと思いきや…、
彼が語ったのは、『それが500年続いた常識』だからという事実についてであります。
しかし、さりとて、それは決して“勝者としての愉悦”では無いとも言及しています。
曰く、侵略されて恨まぬ人間など居らず、新しい統治に向けての反乱の芽を摘むために、その拠り所となる可能性を有する、前城主は危険であるとも説明する剛京さん。
剛京さん『必ず反乱の刃を向けてくる。必ずだ!』
仮にもしも、反乱が起これば鎮圧のために、双方共に、流れなくても良い血を流す事になる、それを防ぐためにも、始めが肝心であるとの説明を施すのですが、ココは僕も納得は出来る理由かと思いました。。
ただ、その反面で―、
最初に剛京さんが語った“戦争行為の罪”とか、結局、何も関係ないということがよく分かります。
勿論、龍安さん本人は、斬首を覚悟した上での南陽無血開城だったわけで、剛京さんの言葉が、特段、意外なモノであったわけではありません。
“民が惑うくらいなら。”と、逍遥として、斬首を受け入れる龍安さん。
その龍安さんの覚悟を踏まえた上で、さらに斬首を制止する騰が居ます。
騰『龍安を斬首にしようとする者は、この場でこの騰が首を刎ねる。』
剛京さん『ご乱心か?』
ここに来て、ようやく剛京さんも、騰が龍安の斬首に反対する、理由が気になってきたようです。
剛京さん『龍安は何か特別な存在だとでも?』
騰『龍案ではない、南陽が特別だから止めているのだ。』
曰く、民から信頼厚き城主を公開処刑して、馴染みなき方で厳しい圧制を敷けば、少なくとも次戦の新鄭攻略は、韓軍の指揮が余計に高まり、徹底抗戦となるのは必定。
ココから決定的に…、
単に南陽を無事な統治を固めたいことを目的とする剛京さんと、次戦の新鄭攻略を見据えた次工程の為の統治を主張する騰に、意見が分かれた形になります。
南陽を占領以前のままにするでは、城を落とした意味が無い点については、騰も同意しているのですが…、
ココから先の話として、秦が中華統一という新しい時代を切り開く為の戦争であることから、落とした地の統治も、新しいものにすべきでは無いかと語る騰。
剛京さん『どう新しくすると?』
騰『南陽を秦と韓の人と文化が友好の下に入り混じった“理想郷”に作り替える。』
その意味するトコロは、韓の反発心を緩やかにするだけでなく、南陽が中華統一後に目指す世界の一つの“試金石”となるとまで語る騰。
騰『そのためには、龍案の協力が必要なのだ。』
騰の言いたい事は物凄く分かります。
しかも、王騎のいた旧六将時代から戦ってきた騰の口から、このことが語られるのは、殊更意義がある事なのもよく分かります。
ただ、その”理想郷“が一体何なのかは、云った当人の騰自身も、まだ何なのかよく分からない。。
当然、コレを聞いた仲間も困惑を示します。
録嗚未『ちょっと待てよ、騰!? 統一後の世界の姿とか、、それ武将が考える類の話しじゃねーだろ!?お前一体??』
騰としても、このことは、今回の韓の攻略を目の当たりにして、ようやく抱き得た問題意識なのですが、言い換えれば、それだけ騰の着眼点は、嬴政や昌平君らの構想力よりも遥かに先進的であると評価することが出来ます。
コレは当然、逆を云えば、残念ながら嬴政と昌平君のトップが、結局、何も考えていない連中でしかないとも言えるのですが。。
そして、ここに来て、騰はそもそも、六大将軍が昭王の作った制度であり、戦争の自由が与えられた背景が在ったにせよ、
騰『今の六将には、そこに戦争の責任も付随すると考えている。。』と語ります。
李信『戦争の責任??』
言い換えれば、武力制圧した後の、其処に住まう者達への生き方の責任。
それが中華統一のための戦争である以上、引いては、武力制圧する中華全土の民への、生き方の責任と捉える騰。。
しかもコレ、特に重要な事なのは・・・、
騰の言っていることは、決して、偶然や思い付きではなく、王騎から昭王の伝言として語られた、“武力制圧後の民に対する慈愛”(参照:第173話)と同列の話である事もよく分かります。
騰の、言うていることはめちゃクチャ正しいです。
しかし!!
いや、しかしですよ?? 大将軍騰様??
それ、余りに重要なことなんで、剛京さんじゃなくて、韓攻めの開戦前に、誰よりも一番理解して居なきゃいけない、嬴政さんにこそ云ってやってもらえませんかね??(泣)
そんなん、ただの文官に過ぎない剛京さんに云うても分かりまへんで!!
録嗚未とて、再度、『バカかお前、そんなん王や丞相らが考えるもんだろうが。』云うてますが、暗にコレは録嗚未の言葉はまた、今回の韓攻めに対して、王である嬴政と総司令昌平君の構想が、完全に準備不足であった事を指摘しているとも捉えることが出来ます。
李信『六将って、そこまで考えなくちゃいけないのか?(汗)』
騰『いや、これは私が勝手に思っていることだ。』
ここで遜る騰は流石ですが…、
話を聞いていた河了貂としては、暗に、昌平君が騰自身の持つ“視点”に期待を賭けていたという事で、韓攻めを騰に任せた理由に納得を得ます。
しかし、それが真実なのだとしたら、何故、秦国本営は、韓統一のためのコンセンサスが全く取れていない、剛京さんを南陽に寄越してきたのか??
秦韓双方とも、損耗を極限まで防いだうえで攻略を成し遂げなければならないという課題は最初から、昌平君と嬴政も分っていたのに…、
剛京さん相手に、韓攻略の方針について、何ら“含み”を仕込まずに送り出してしまった、秦国本営の戦争計画について、ますます意味が分からない状態になってきました。
昌平君と嬴政は、騰に武将以外の視点について期待して送り出したのに、何で騰の足を引っ張るような真似をするのか??
恐らく残念ながら、これ等の今回の韓攻めについての基本方針すら、長官就任者本人である剛京さんは、何も聞かされていないのでしょう。。
騰の話しの筋は理解したと語った上で…、
剛京さん『が、(その上で)文官の専門である私からすると、侵略しておいて友好の理想郷など都合が良過ぎる。』と当然の判断を下します。
結果、龍安さん斬首の見解は変わらず、部下に連行を命じますが、コレには再び、騰が剣を示して、衛兵の行動を抑止します。
キングダムあらすじ – 指揮を執り始める隆国
並行せんから状況激化かと思われた矢先。
隆国『双方それまで。』
ここで待ったをかける隆国。
曰く、『どちらの意見が正しいかよりも、この場で長官と六将の序列はどちらが上なのか?』至極、最もな問題提起を投げかけます。
剛京さん『何をいまさら!?長官に決まっておる!!』
隆国『いや、そうとも限らぬ。』
戦争の自由の特権を持つ六将と地方長官の立場の上下が正確に評価された事は誰にも聞いたことが無い。
録嗚未『た・し・か・に。』
剛京さん『……。』
その為、咸陽に早馬を送り指示を仰ぐとして、この問題は自身が預るとして宣言する隆国。
録嗚未『(何でお前が預かるんだよ。汗)』
『よもや剛京殿に限って朝廷に逆らうことはあるまい』と念押しまでする隆国ですが…、さらに!
騰に対してまでも、『騰将軍、貴殿も咸陽の返答には従順に従うことを約束せよ。いかに六将とてソコを反故にせば武将の道を逸脱する。でなければ、我らは貴公の下を離脱する。』とまで宣言。
録嗚未『(こいつ何を勝手に?汗)』
騰『承知した。よし、一旦ここまでだ。』
かくして、咸陽に向って駆ける早馬。
そこから、南陽まで戻るの馬の姿が描かれます。
そして、再度、韓の旗が城壁にたなびきます。。
龍安のひとまずの安堵も意味するであろう韓の旗。。
剛京さんとて、納得はしたことになるのでしょうが…、
**面目を潰されたと思わずに、執務に取り組んでいただけたなら、先週、登場シーンだけで人物像を判断した僕の非礼を、ここで謝りたいと思います。本当にすみません、剛京さん。。
結局、一番の問題は、法治国家だと言っておきながら、六大将軍の運用について実体法も手続法も何も整備していない秦国の準備不足だと、今回改めて強く感じました。
まあ、そもそもキングダムにおける秦国の法治国家体制は、昔から商鞅などの法の専門家たちが試行錯誤しながら整えてきたわけではなく、何故か突然、現秦王の嬴政が思いついて着手したという体裁になっているので、仕方がないのかもしれませんが。。**
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